お久しぶりです!FITの川鍋です。
新年度になったかと思えばもう5月ですね。日々の早さに必死にしがみついてる毎日です。
さて、今回はABA(応用行動分析)でも大事にされている「肯定的な考え」「プラス思考」についてお話します。
私自身、肯定的な関わりや考えを大事に日々精進していますが、ある時一つの記事と写真を見て考えさせられることがありました。
ご存じな方もいらっしゃるかと思いますが、心理学でよくみられる「ゲシュタルトの欠けた円」といわれるものです。

上記の写真を見たとき、一番はじめに目に止まった所ははどこでしょうか?
誰しもが、欠けた円の方の欠けた部分に目がいったことかと思います。
これは、できている部分よりもできてない部分に注目しやすいという人間の心理が働いている為のようで、ごく自然なことなのです。
人の欠点ばかり目についたり、子どもの不足している部分に悩んでしまったりということは当然のことなんですね。
ですが、負の部分にばかり目がいくとそのことしか考えられなくなり、悪循環な思考に陥って自分自身も辛くなってしまいますよね。
そこで、心理学で言われている改善法と私の心掛けていることを稚拙ながらお伝えさせていただきます。
まず、心理学で負の部分に目がいってしまう習性はネガティビティバイアスといわれます。
第一歩は、人間にはその習性があることを理解し、その傾向が自分に表れたときにそこに気づき意識できることです。
「自分は今ネガティブなことに反応しやすくなってるんだ」と気づくことができれば、負の考えを断ち切るか、ポジティブなところがないか探す等プラスな行動をとりやすくなります。
そして、意識できたらそのマイナスな部分を一歩引いた視点から考えてみます。
イメージとしては自分が負の中にいるところから外に出て、負の部分を俯瞰してみている状態です。

その一歩引いた視点に立てると、表面化されてない要因についても考えやすくなります。
例・・すれ違いざまに挨拶をしても返されなかった時
・負のままでは→ 挨拶がなくて悲しいな、、何か悪いことしたかな、、という気持ちに陥る
・一歩引いた視点では→ 挨拶がなくて悲しいな、、声が小さく聞こえなかったかな?それとも何か考え事してたのかな?次は落ち着いたタイミングで挨拶してみよう 等
負の気持ちを消したり否定することなく、そのままを捉えてあげると、物事を多角的に考えやすくなります。
また、一歩引いた視点に立てるようになると、負の部分だけでなく次第に良い部分も見えてきます。
ここが、1番の要かもしれません。
ABAでは、行動に注目するとその行動が増えるという基本原理があります。
悪い行動に「やめなさい!」と否定的な注目をしても悪い行動がエスカレートするように、良い行動に「できてるね、やってるね」と肯定的な注目をすると良い行動は増えます。
ですが、はじめに見ていただいたゲシュタルトの欠けた円のように、できている時や良い行動はそれが当たり前と思い中々気付くことが難しいです。
なので、一歩引いた視点で物事を捉える視点を身につけ、当たり前となりがちな良い行動に気付けるよう意識します。
例・・・宿題をやっていたが途中で他のことに気をとられ手が止まってしまう、他の遊びにいってしまう子どもの場合
負の視点→宿題をやっていないとき(好ましくない行動)に「やってないじゃないの!何遊んでるの!」と叱る
肯定的な視点→宿題をやっている時(良い行動」に「宿題やってるね、頑張ってるね」と声を掛ける
※環境整備や見通しをつけるなどの工夫も大事です
子どもとの関わりに限らず、日々過ごしていく中で当たり前になっているけど、本当は有難いことは沢山ありますね。
小さなことでも気づき意識する、感謝することを忘れずにいこうと自分自身も改めて思う今日この頃です。

川鍋